花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】贅沢で平凡な日々 2話目

 

hanakoutu.hatenablog.com

 

「木下さん、これ今日中」

上司の岩城さんは、自分が定時に帰るために部下に莫大なノルマを課す。

 

岩城さんの標的は、最初は私ではなかった。

 

私の後輩の美紀ちゃんが、莫大なノルマを必死で仕上げるのに過労で倒れた。

私は、それまで知らなかった。

美紀ちゃんが、毎晩のように残業をしていたこと。

 

「飲みにいかない?」

私の言葉を、

「今日は、用事があるので。」

その言葉で断っていた美紀ちゃんを、私は付き合いの悪い後輩だと思っていた。

 

「どうゆうことですか?」

この言葉と同時に、美紀ちゃんの両親が会社にやってくるまで。

 

その言葉が響き渡るまでの三日間、美紀ちゃんは風邪で休んでいた。

その三日間、岩城さんは大人しかった。

わかっていたのだろう、美紀ちゃんの欠勤が自分のせいだと。

 

美紀ちゃんの両親がやってきて、従業員全員に聞こえる声で事態を説明していた。

美紀ちゃんは、私の毎晩の誘いを断って一度退社するふりをしていた。

そしもう一度、会社に戻って岩城さんのノルマを仕上げていたらしい。

 

気づけなかった。私は、気づくことができなかった。

 

美紀ちゃんは付き合いの悪い後輩だと皆に言って、ビールを私が飲んでいる間に、

美紀ちゃんは誰にも言えないで、仕事をしていた。

 

そして、美紀ちゃんは仕事に行くことに拒絶反応が出て吐き気とめまいに襲われたという。

 

数日後、美紀ちゃんは仕事を辞めた。

後から聞いた話は、結局両親が来てもなにも保証はなかったという。

労災申請をしたらしく、会社には労働基準局から調査が来た。

私も、何度か労働基準局から呼ばれて担当者と面談した。

 

会社から、その前に台本のような資料を渡された。

仕事を続けたければ絶対に、美紀ちゃんを同情する言葉は言わないこと。

社長と部長に呼び出され、そう言われた。

私は、その通りにした。

美紀ちゃんが仕事が好きで勝手に受けた仕事を、勝手に残業をして行っていただけ。

私は、自分を守った。

半年後、労災は認定されずに調査は終わった。

 

あの頃の自分を、殺してやりたいと思う。

なぜ、自分の身を挺してまで美紀ちゃんを守らなかったのか。。。

 

半年後に、岩城さんの標的になったのは私だった。

最初に言われたときに、美紀ちゃんと同じだとすぐにわかった。

私より後輩は沢山いた。でも、岩城さんも学んだのだ。

 

できるだけ強そうな人間に頼めば、何も起きないと。

 

それが、私だった。

 

私はこの時、どうかしていた。

岩城さんから頼まれた仕事を、自分ならうまくこなせると変な自信を持っていた。

 

このころの私は、知らなかったんだ。

強さの近くに、自分の弱いところが眠っているということに。

 

 

続く