花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 7話目

もう無理かもしれない。

サンダルで走るには、限界だ。

走っても走っても、逃げきれていないような気がして、体力的には限界なのに走る足は止まらない。

 

「お母さん、助けて。」

私は、おもむろにスマホで母に救いを求めた。

場所を伝えようとしても、此処がどこだかわからない。

息が苦しい。苦しくて、言葉が出てこない。

「どうしたの?」

母の心配そうな声を聞いても、うまく言葉を発することができなかった。

「ごめん」

一旦電話を切り、周りを見渡した。

 

地図がある。

 

私は、走って地図の方へと走る。うまく理解できない。

「落ち着け。」

私は、自分の頬を両手で叩いた。

深呼吸をして、私はもう一度ちゃんと地図を見る。

冷静になって見ると、私はどうやら隣町まで行ってしまったようだ。

何分、走り続けたのだろうか。この場所は、家からかなり離れている。

 

「お母さんに電話しないと。」

 

母に電話をすると、ワンコールで母が出た。

「真紀、どうしたの?」

母の声で伝わる。母が、本気で心配していることが。

 

「あ...あら...荒巻...荒巻さんに...会った...。」

母に話しながら、私は少し前の出来事を鮮明に思い出す。

 

朝のニュースでコンビニスイーツ特集をやっていた。今日発売のロールケーキ。父と母と私は食べたいねと話していた。

私は、率先して買いに行ってくると行った。土曜日なので、父も母も仕事は休みだったけど、本屋をゆっくり見たかったので一人で行くことにした。

近くのコンビニに行ったけど、テレビで特集をやったせいか売り切れ。

 

何軒かまわったけど、やっぱり売っていなかった。だから、いつもは行かない遠くのコンビニへ行った。

お店を入った瞬間に、覚えのある香水の匂いがした。その地点で、気づくべきだった。

スイーツコーナーに向かう途中で、

「あっ」

という、声がした。声のしたほうを見ると、目の前に荒巻さんがいた。

 

声が出なかった。手足が急に震えだし、私は後ずさりするように店を出た。車で来たことを忘れ、走った。

荒巻さんが追いかけてきたらという恐怖と、荒巻さんを見てしまったという恐怖。この二つの恐怖が、私を走らせた。

 

そして、私は隣町まで来てしまったのだ。

 

いつまで、こんな思いをしなければいけないの。

いつまで、逃げ続けなくてはいけないの。

いつになったら、忘れることができるの?

 

出来事は忘れられなくても、脳内で薄くなっていた荒巻さんの顔。

それが一気に、また頭の中で思い出される。

 

場所を伝えたら、両親が迎えに来てくれるという。

 

この先、私は逃げ続けなくてはいけないのか...。

そんな不安が込み上げて、頭を抱えながら両親の迎えを私は待ち続けた。

 

続く。