花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 8話目

あれから一週間。

 

真紀にとって、過酷な一週間だった。

眠ろうとしても眠れない。

あの時の荒巻の顔が24時間、頭の中を離れないのだ。

 

それでも、真紀は一生懸命に自分を取り戻そうとしていた。

不安や恐怖が頭の中によぎれば、必死で夢中になれることを探した。

 

この一週間、夕飯はとんでもない品数だった。

真紀が不安をかき消すために、必死で一日料理をつづけた結果だった。

不安の数だけ、品数が増えていったのだった。

 

部屋中の隅々まで、掃除機をかけて、雑巾がけをした。

自分の心を洗うかのように、家中を綺麗にしたのだった。

 

それでも、夜だけは眠れない。

睡眠導入剤を飲んでも、なかなか眠りにつけないのだ。

少し眠れたとしても、夢の中に荒巻が出てきてしまう。

そして、体中が冷や汗でいっぱいになるのだ。

 

真紀の両親も、後悔で一杯の一週間だった。

もしあの時、真紀が一人で出かけるのを止めていれば、こんなことにならなかったかもしれない。

人が喜ぶためなら、なんでも無理をしてしまう優しい子が真紀だと自分たちが一番分かっていたはずなのに。

あの時、自分たちがロールケーキを食べたいなんて言わなければ。。。

 

そんな考えから、真紀が多めに作った夕飯を両親は嫌な顔をせずに食べた。

知っていたのだ。不安だから、こうやって品数を作っていることを。

家中がきれいになるのは良い事だった。でも、両親にとっては複雑だった。家がきれいになればなるほど、娘の心の痛みが伝わるのだ。

 

何かしてあげたいが、何もしてあげられない。

父上は、いっそ荒巻を一発殴ってやるかということまで考えていた。

でも、それで真紀は幸せになれるのか?逆に、心を痛めさせてしまうだけじゃないのか?

そんな自問自答を繰り返していた。

 

母上は、慣れないスマホでどうにか真紀のトラウマを消す方法を探していた。

病院や医者を探した。いっそ、真紀を入院させて休養させたほうがいいのでは?でも、真紀自身は自分で立ち上がろうとしている。そんな中で入院をさせることは、本当に正しいことなのだろうか?

母上も、悩んでいた。

 

家族全員が、個々に悩んでいた。でも、必死に悩んでも答えは出ない。

ここで、気づくだろうか?

この家族、こんなに窮地でありながら向き合っていないのだ。

本当は、家族でどうしたらよいか話せばいいものの、なんだかこんな時に限って自分の中で自分の意見を隠してしまっているのだ。

 

誰か、気付いてほしい。

今、何が必要かを。

 

このままでは、家族は崩れてしまう。

たった一人の女のせいで。

 

そんな中で、真紀が一冊の本を見つけてしまう。

その本の出会いが、真紀にとってどんな影響をもたらすのか。

そして、真紀の変化に、家族はどう動くのか。

 

それは、また今度。

 

続く。