花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 9話目

半年前のようにはなりたくない。

だから、何かに必死にならないといけなかった。

 

半年前、退院した私は殆ど引きこもりだった。

外へ出ることを恐れ、心の体も引きこもっていた。

でも、両親がそれを救ってくれた。

私が、外に出るきっかけを作ってくれた。

用事もないのに用事を作って、無理やりでも外へ連れ出してくれた。

そういえば、おばあちゃんが危篤だって言って連れ出されたこともあったっけ。

今でも、元気だったのに...。

 

そういう苦労を、身をもって感じたから、今は引きこもるわけにはいかない。

あんな苦労を、2度とさせてはいけない。

 

だから、本当に自分の気持ちを隠すかのように外へ出た。

母も、「無理しなくていい」って言ってくれたし、父も「ゆっくり休めばいい」と言ってくれた。

でも、今は無理しなきゃいけないし、休むわけにはいかない。

 

ネットで買っていたスパイスも、電車を乗って遠くまで売っている場所まで出かけた。

帽子を深くかぶり、伊達メガネをして出かけた。

私の、小さな強がりだった。

 

沢山、買いこんで、レシピ本も本屋で覗いた。

そんな時に、本屋で写真集フェアをやっていた。

いつもはレシピ本しか見ない本屋。でも、なんだか足がそちらへ行ってしまう。

 

「見てみるか。」

そんな言葉が出てきたから、私は足を運んでみることにする。

 

入った瞬間に、ここは自分の場所じゃないと思う。

だいたい、写真集なんて持ってもいないし、じっくり読んだこともない。

自分には無縁のものだと思っていた。

 

せっかく入ったのだ。

見てみる。

 

植物を写したもの、山を写したもの、神秘的な世界を写したもの。

綺麗だなと思う。でも、その美しさを全面で感じられるほど、私は完璧な人間じゃない。

人を写したもの、グラビアの写真集、子供を写したもの、犬、猫。

どうしよう、かわいいとかは思うけど、とことんまで何か心に足りないものを感じる。

自分のふがいなさを感じるだけのもの。

 

やっぱり、合わない。

そう、思う。

 

そんな中で、表紙が気になるものがあって、私は手に取った。

東京の変わった場所を写してある写真集。

東京は、行ったことがある程度。修学旅行と、会社の研修。短大の卒業旅行でも行ったっけ。

でも感想は一言。疲れる場所。自分とは無縁の場所。

 

でも、この写真集の東京は違う。

私の知っている東京ではなくて、なんだか引き込まれる感じだ。

東京にも、こんな場所があったんだ。。。つい、見入ってしまう。

買って帰るか。。。そう思って裏表紙を見る。

1500円。

少し、高い。写真集としては安いのはわかるけど、今の私の財布事情だと高い。買えるけど、やっぱり厳しい。

 

私は、本屋を後にした。

 

家に帰って夕飯の支度をする。

今日は、カレーだ。

カレーを混ぜながら、あの写真集のことを思い出す。

私はもしかすると、狭い世界しか見ていないのかもしれない。

狭い世界で、落ち込んでいるのかもしれない。

 

そう思っていたら、母が帰ってきた。

 

私が急いで夕飯の支度をしているうちに、父が帰ってくる。

やっぱり今日も、考え事をしてたからだろうか品数が多い。

それでも、両親は何も言わずに食べてくれる。

でも、知っている。私に気を使っていること。

 

頑張って食べていること。

 

本当は、この環境がちょっと辛い。

なんでも言い合っていた頃のほうが、ずっと楽だった。

 

私、このままでいいのかな...。

 

続く。