花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 17話目

「昔の人はね、写真を撮ると魂が抜けると言っていた人がいるそうだよ。」

祖母がそんなことを言っていた事を思い出した。

それを聞いたとき、私はまだ小さくて理解することができなかった。

でも、今なら昔の人の気持ちがわかる気がする。

 

私は今、商店街の入り口をスマホで撮っている。あの写真集と同じアングルで。でも、あの写真集のように上手く撮れない。

私の写真技術の問題だろう。

あの写真集を見たとき、私は写真の中に吸い込まれるような感覚だった。

そして実際に、ここへ来てしまった。

 

魂までは言わないけど、あの写真に心を感じた。そして、暖かさも。

お巡りさんに聞くまで、この商店街の人たちが頑張って存続し続けていることを知らなかったけれど、あの写真には確かに心があった。

 

写真を何枚も撮って、私はすっかりこの商店街の虜になっていた。

今日は、あと二か所行く予定だったけれど、ここにずっと居たいと思った。

ずっと立っていたから、なんだか少し休みたくなった。

 

私は商店街を歩き、休める場所を探した。すると、喫茶店と書かれた文字に惹かれて、私は自然と店に入った。

初めての店は、本当は躊躇するのに、今は初めてのことでも簡単にできるような気がした。

ブレンドを頼んで、私は待ちながら自分の撮った写真を見る。やっぱり、あの写真集の写真とは違う。同じ場所を同じ位置から撮っているのに、何故こう違うんだろう。

自分の写真に疑問を抱いていると、コーヒーを優しそうなマスターが運んでくれた。

カウンターにはいろんなコーヒー豆が並んでいて、どうやら此処はコーヒーにこだわっているお店らしい。

メニューをちゃんと見なかったが、今見ると、ブレンドは今日のおすすめコーヒー二種類がブレンドされたものが出されると書いてある。

 

コーヒー豆も帰るそうだから、コーヒー好きの父のお土産はここのコーヒー豆にしようと決めた。

ブレンドは、私が今まで飲んだことのない味のコーヒーだった。正直、戸惑いのある味だったけれど、コーヒー好きの父ならきっと気に入るという確信があった。

 

だから、私はマスターにおすすめの豆を500グラム頼んだ。

 

ここは、いいなぁと思った。行く先々で、日との暖かさを感じる。そこに、私の病気を深く勘ぐる人も、偏見する人もいない。

知らせていないのもあるかもしれないけれど、きっとここなら知らせても何も思われな不思議な自信がどこかにある。

 

そんなことを思うことに、すこし罪悪感もある。両親が、二人でここに住もうと決めた場所と此処を比べてしまっている自分がいるから。

 

でも、私の気持ちの中で何かが動こうとしているのを、私はなぜか止めようとしている。