花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 18話目

 

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遠くからでも、娘の成長がわかるというのを父上は初めて知った。

バス停で母上と真紀の乗ったバスを待っていた父上。

 

バスが着いて、外から見えるバスの中で立ちあがった真紀が、まるで別人かと思うようないで立ちだった。

オーラというのだろうか、雰囲気というのだろうか。

 

今まで、真紀の成長を見てきた父上。

しかし、遠くからでもわかる成長というのは初めての経験だった。

一瞬で見ただけで分かる。東京行きは、真紀を少しでも変えたのだと。

 

真紀は、よく持って帰ってきたなと思うほどの荷物の量だった。

久しぶりの東京で、いろいろ目が光ったのだろうか。

東京に行くだけでも大きな成長だ、無駄遣いであっても見守ろうと父上は思った。

 

車に乗ってきた真紀は、しゃべるのが止まらない。

おばさんがとかラーメン屋がとか、父上は娘の弾丸トークに内容が入っていかないご様子。

興奮していた。

 

助手席の母上は、聞き取れているのかは分からないが嬉しそうに相槌していた。

とりあえず、娘が無事に帰ってきたこと、なんだか楽しそうなことに喜びを感じているのだろう。

それは、父上も一緒だった。

家族にとって、いろいろ大きな試練であった娘の東京旅。

それが、悪いものでなくて良かったと心から思う父上。

 

家に着いて、真紀がすぐに両親を驚かせた。

真紀が持っていた、大量の荷物。

それは、すべて両親への土産だったのだ。

お菓子屋やデパ地下のお惣菜。母上には、ブラウス。父上には、ネクタイ。

もっと驚くのは真紀は、真紀は自分のものを一切買っていなかったこと。

 

こういうところが、真紀らしいなと両親は顔を見合わせて笑った。

沢山買ってきた総菜は、消費期限を見ながら冷凍したり、次の夕飯にまわすことになった。

お菓子は、とりあえず必死で家族で食べようと決めた。

 

これで、よかったんだ。自分たちが、娘の東京行きを不安を押し殺して承諾したことは、娘にとってとても良いことだったんだと思って父上は安心した。

 

しかし、娘の成長を見られたのはその日だけだった。

翌日から、真紀は成長していた様子とは一転して、いつもの真紀に戻っていたのだ。

もちろん、すぐには成長した姿など見えないだろう。

でも父上は、はっきり見たのだ。目で感じだのだ。それに、違いはなかったはずだ。

 

いつもというよりも、なんだか東京に行く前よりも覇気がない。

 

しばらく様子を、父上は見てみたが、間違いなく真紀の元気がない気がする。

父上は母上に相談も考えたが、母上はまだ娘が無事に東京から帰ってきた安堵感に浸っているご様子。

 

本当は、真紀本人で聞けばいい。

しかし近くにいるはずの娘が、なんだか遠くに感じる。

安堵感は束の間で、父上の心は不安が襲っていた。

 

何もできないまま、父上は、朝食の縦鼻をしてくれている娘をみることしかできなかった。

 

続く。