花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 19話目

 

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なんだか、イライラする。

そのイライラは、誰のせいでもないのは知っている。

でも、東京から帰ってきてから、変ないら立ちが私を悩ませた。

 

東京から帰ってきた翌日、まるで前の日の出来事がまるで夢だっかなのような、現実ではなかったような別世界の出来事。

そんな気がして、なんだか不安になった。

 

私にとって、東京行きは大きな前進だった。あの場に着いたことだけでも、私にとっては冒険に近いものがあった。

それなのに、帰ってきたら後戻りした気分なのだ。

 

そして、今見ているすべての日常が、薄汚れて見えてしまう。

そんな自分に、苛立ちがあるのだ。

 

両親が私を育ててくれた街。生まれてからずっと過ごした街。私にとっては唯一の居場所だった街。

それなのに、今はそんな大事な場所を東京と比べてしまうのだ。

全く別の場所だと言うのに、比べてけなしてしまうのだ。

 

夕飯の買い物に出かければ、売っているものを比較してため息。

東京の方が値段は高かったけれど、それなりに物は東京の方がよかった。

気分転換に、和菓子屋へ入るも、やっぱり東京と比べてしまう。

 

「東京へ行かなければよかった。」

 

家に帰ったときに、私は買い物袋を地面へ叩きつけた。

 

本当に苛立ちが高まるのは、比べているのが物だけではないからだった。

 

居心地を比べている。絶対に比べてはいけないものを、私は比べてしまっているのだ。

 

東京に行ったとき、私がうつ病であることを誰も知らなかった。

そして、皆が優しかった。うつ病であることを知ったおばさんや、お巡りさんだって、私を偏見することはなかった。

 

でもここは、小さい街だ。だから大っぴらに病気のことを言えない。

 

東京でも、うつ病を偏見の目で見る人がいるかもしれない。でも、私の過去を知らない人ばかりがいる。それが楽なのだ。

 

部屋にある写真集。あんなに輝かしいものだったはずなのに、今は私を苛立たせる原因となっている。

でも、こんな気持ちを両親に話すわけにはいかない。

きっと、悲しい顔をするに違いないのだ。

 

こんな写真集があるせいで。誰にも言えない怒りを、私は写真集にぶつけた。

写真集に賀川雄二と書いてあった。

この人が、写真集さへ作らなければ、私は東京なんかに行かなかったのだ。

 

私は、賀川雄二という人の名前をパソコンで検索した。

すると、賀川雄二のホームページとブログを発見した。

私は、我を忘れていたのだ。問い合わせというところに、私は自分の気持ちすべてをぶつけたのだ。

 

「あなたの写真集をみて、私は東京へと行きました。でも、東京に行ったあとに、あなたが写真で撮った世界と自分の住む世界を比べてしまって、行かなければよかったと後悔しています。あなたが写真集さへ作らなければ、私は後悔なんてしなかった。うつ病になって辛く毎日から、ようやく前へ向けた気がしたのに。」

 

私は送信ボタンを躊躇せずクリックした。その瞬間、自分の世界が変わることも知らずに。

 

続く