花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 20話目

その子に送る言葉を、私は半年も探している。

その子を最後に見た時の、後ろ姿が私は今でも忘れることができない。

そして、その子の背中を追えなかった自分を今でも責めている。

 

私は、田上京子。

北野真紀さんの、職場の二年上の先輩だった。

 

北野真紀さん、私たちはその子を救い出そうとした。

でも、それが大きな仇になるなんて思ってもみなかった。

荒巻由美に、抗議した時、それが本当の正義だと信じていた。

 

私が北野真紀さんに出会ったのは、彼女が入社してきた時だった。

第一印象は、下を向いている子だった。最初は心配だった。この子は、長続きするのだろうかという感じの子だった。

私は入社三年目で、初めて指導する子が北野真紀さんだった。

いや、正確には真紀ちゃんと呼んでいた。

 

真紀ちゃんを見て思ったのは、一日一日成長していることだった。

それに、教えれば教えるほど、スポンジのように吸収していく。

それは、教えている側としては本当に嬉しかった。

 

接客が、真紀ちゃんには向いていたみたいだった。

笑顔が、どんどん明るくなっていく。

その笑顔に、惹きつけられているのはお客様だけではなく、一緒に働く従業員もだった。

真紀ちゃん目当てでやってくるお客様がいると、私たち従業員はやっかみも嫉妬もなく心から納得した。

接客ってセンスだったから。真紀ちゃんには、センスがあった。

そして、察しが良い。

お客様が困っている時、私たちが気づかないところに目がいくのが真紀ちゃんだった。

だから、社長賞を初めて真紀ちゃんが獲った時は、みんなで心の底からお祝いをした。

そういえば、当時の店長が真紀ちゃんの社長賞を祝してピザを昼食にとってくれたこともあった。

 

真紀ちゃんが来たことで、職場の雰囲気がよくなった。

 

私は真紀ちゃんと、週に一回夕飯を食べに行くことも楽しみだった。真紀ちゃんは、仕事が大好きみたいで、仕事愛をよく楽しそうに話していた。

 

そんな時に、悪魔がやってきた。荒巻由美。

荒巻に虐められている真紀ちゃんを見ているのが私たちはが辛くて、それを救い出したくて抗議したはずだったのに、私たちは一斉に異動になった。

その瞬間、私たちは正義を捨てた。

辞令を見て、走って職場から逃げ出す真紀ちゃんを見て、私たちは誰一人追いかけることをしなかった。

今度何かをすれば、働く場所を失うかもしれない。

私たちは、自分を守った。

そして、翌日聞いたのは、地獄のような結末。

真紀ちゃんの自殺未遂だった。

 

でも、私たちは誰一人、真紀ちゃんのお見舞いに行かなかった。会社から、止められていたのだ。

 

それから半年、私は真紀ちゃんに送るメールを打っては消してを繰り返している。

私が連絡を取っていいものなのか、なんと声をかけていいのか、私は分からないまま働き続けている。

 

 

続く