花うつ

花子28歳独身。パワハラによるうつ病に悩まされ、リストカットにまで追い詰められた。でも、うつ病は必ず治る、私なりの独自の治し方で、うつ病と向き合っています。うつ病に効く食材を使った料理紹介や小説も公開予定です!現在はフリーライターとしても活躍中。お仕事依頼もよろしくお願いいたします。お仕事依頼は、south1989.1322@gmail.com まで!!小説家志望ですので、いつか本を出せたらいいなと言う野望も持っていますw

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【小説連載】スニーカー 21話目

 

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僕のもとに、辞令が出た。

僕にとっては、不本意な辞令だった。

僕は、早瀬孝彦。

入社十年のチーフ。

 

北野真紀をに対する荒巻由美の態度を、仲間たちで抗議は、僕らの洋装外の展開になってしまった。

最悪の結果で、結局、北野を傷つける形になってしまった。

 

でも、北野が自殺未遂したのは荒巻が今まで北野にした嫌がらせによるものだということは明らかだった。

しかし、会社は認めなかった。

 

それが不本意だと思いながら、僕は何もできずに赴任先で働いていた。

結婚している僕にとって、引っ越さなければいけない赴任先は大きな負担だった。

妻にも事情を話して、僕は息子のことを考えて単身赴任になった。

車で3時間の距離なので、休みの日は家族に会える。

だから、妻も了承してくれた。今から転職することも考えた。

でも、僕も32歳。このご時世、簡単には転職先が見つからない。

家族を、路頭に迷わすわけにはいかない。

 

赴任先には、意外と簡単に慣れた。

パートさんたちとも打ち解けて、土地勘にも慣れた。

週に一回家族と会う環境は、家族をよりいっそう愛おしく感じさせた。

一週間ごとに、息子の成長が見られる。一緒に暮らしていたころよりも、息子のをきちんと見れている感じがした。

妻への愛も、会えない分より一層強くなった気がする。

 

充実感があった。

仕事も充実していて、家族関係も良好。

 

しかし、半年で辞令がでた。

これはうちの会社では、異例の辞令だった。

社員は短くても3年以上で、異動の辞令が出るのが普通だ。

僕も、入社10年で今いる場所への異動が初めてなくらい、異動が少ない会社なのだ。

でも、二回目がこんなにすぐにやってくるとは思わなかった。

 

しかも異動先は、元いた場所。

北野と一緒に働いた、あの場所だった。

そして、あの悪魔のような荒巻がいる場所。

 

忘れていた罪を、忘れるなと神様が言っているかのような辞令。

その辞令を見た時、すべてが脳裏に響いた。

あの悪夢のような事件を、すべて思い出した。

 

家族とまた一緒に住めるなんて幸せな気持ちは、正直言ってあんまりなかった。

半年で、戻ることがあるなんて。

 

その異動準備は、本当に慌ただしいものになった。

異動は一週間後。

普通は、短くても二週間後だったり、本当は一か月後が普通だ。

しかも、通常の異動はまずは本社の人事担当から電話か直接、辞令が出る前に本人に相談があるはずだった。

今回は急すぎる。

 

会社は、何を考えているのだろうか。

 

ほとぼりが冷めたころ、また戻すのが元々の会社の考えだったのだろうか。

 

急いで引っ越しの準備を済ませ、僕は家族のもとへと帰ってきた。

妻も息子も喜んでくれたが、僕には不安しかなかった。

 

そして、赴任先のもとの場所へと出勤する。

知っている。まだここに、荒巻がいることを。

 

職場へと一歩踏み出したとき、荒巻の顔が見えた。

 

そんなとき、僕が自分のこぶしをぎゅっと握りしめた。

 

続く